全力で乗り越えよう

中学1年の県トレセンのセレクションを見学しました。

小学生の時からてびサルに来ている子が参加していたので、現場が近くだったこともあり仕事帰りに応援に行ってきました。
夜になると、ちょっと肌寒い感じはしましたが、サッカー観戦には気持ちのいい季節です。

ビブスで色分けされた数チームが、次々にゲームをやり、数名のコーチがリストを片手にチェックしていくというお決まりの形。
でも、サッカー選手を見るのはサッカーのゲームで。やはり、この方法以外は考えられません。


しばらく見ていて思うのは、やはりドリブラーが多い、ということ。とにかくボールを持ったら、グイグイ1人で運んで行って、フィニッシュかラストパス。もしくは取られるか…。10年くらいこういうのを見ていますが、そのへんは変わりません。
確かに、初めて知り合った者同士でチームを組んでいるわけですから、なかなか味方と息をあわせるのは難しい。ともかく自分をアピールするとしたら、ドリブルというのはよくわかります。でも、パスとか、状況判断とかでうならせるようなプレーにはなかなかお目にかかれません。

さてお目当ての「彼」は…。


私が初めて彼を見た時の印象は、まわりを生かすのがすごく上手い選手。たしか小学校3年生くらいだったのかな?KFCには珍しいタイプだな、と思っていました。若いコーチに「お前が仕込んだのか?」と尋ねたこともありましたが、どうも自然にそうプレーしているようでした。こうした小さな町クラブの上手い子にありがちな「王様前」とした感じもなく、飄々とやっている姿に好感を持ちました。

その後、高学年になるにつれ、チーム事情もあるのかポジションはFW、市のトレセンでもFWを主にやっていたそうです。



どんな子にもその子なりの悩みがあるように、小さな町クラブの上手い子にも、特有の悩みや葛藤があるように思います。

外の世界を知らずに王様のまま大きくなって、突然後になって自分の才能というのが、平凡なものだったと気づかされたり、外の世界を早い段階で知り、自分や自分を取り巻く現状にあせったり…。自分でもよくわからない気持ちの揺れ動きが、プレー中に吐き出されてしまうこともあるでしょう。それを大人にしかられて、更に気持ちはこんがらがっていく…。

彼がどうだったのかはよくわかりません。でも、きっとこれからも、そうした困難と戦って行かなくてはなりません。サッカー選手を続けて行く限り…。




セレクションでの彼は、やはりFWの真ん中をやっていました。でも、やろうとするプレーが他の子とちょっと違ってます。低い位置まで降りてきて後ろ向きでパスを受けると、簡単に、前向きのサイドや中盤にはたきます。ゴール前でもう一度受けても、シュートコースがないと、後ろから走り込んだ選手にタイミングを計ってパス。小学校3年生の彼が、そのまま成長したような姿に私は嬉しくなりました。

他の目立っている子に比べて、ボールを持っての見せ場が少ないのは、まず第一に、タッチ数が少ない彼のスタイルから来る印象。次に、いいポジションをとってパスを要求しても、ドリブルでアピールしようとする味方から、なかなかパスが出てこないこと。もう一つは、これは課題だと思うのですが、相手ボールを奪うチャンスをものに出来ていないこと。


彼のプレーがセレクションのコーチの目にどう映るかは知る由もありません。でも、私にはここで選ばれるには充分すぎる力はあると思いました。

機を見て、裏へパスを要求し、走り込んで左でダイレクトで打ったシュート。中盤からドリブルしてきた選手のコースを作るためにサイドへ流れて行く動き。左からゴール前の自分に出されたパスを、DFを引き付けておいてスルーして後ろの選手に通したプレー。

面白かった。
さらなる成長を期待しています。



小中高生! 普段の生活から明日につなげよう。早寝早起き、三食しっかり!

(kazu)


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