あふれる熱い涙 2

桐光は、いい体をしている選手が多かったような気がします。単にガタイがいいのではなく、強くてキレもあるという感じでしょうか。ボールの奪い合いで、相手の懐にスッと入って行くしなやかな動きは、才能だけの問題じゃなさそうです。

桐光のフィジカルコーチの山本晃永さんは、私も著書を2冊持っていますが、Jリーグのチームやユース世代の日本代表、プロ野球チームなどのコーチも経験してきた方だそうです。こういう人が計画的に選手達の体作りを行い、様々なアドバイスをしてくれるのでしょうか。

才能ある選手達がセレクションを受けてふるいにかけられ、選ばれた子が、整った環境で名のある指導者のもと3年間鍛え上げられて行く。ある意味、Jクラブの下部組織より充実した面もあるかもしれません。

「駐車場がいっぱいになるかもしれない」という噂(?)があったので、この日は、キックオフ2時間前に保土ヶ谷に着いて(まあ1時間前でも大丈夫そうでしたけど…)アップの様子なんかも見ていました。驚いたのは、桐光の保護者の方々は、その時には、20名程がすでに到着していて、揃いのウインドブレーカーを着て、選手を激励したり、横断幕をセットしたりしていました。

↓右が桐光サイド。左にポツンといるのは、うちのかみさんです。


             
               ↑ユニフォームも高そうです。

 
いろいろな面で、清流とは違います。もちろんどちらがどうということではありません。



 


ピッチを確かめるリラックスした様子には、この舞台で優勝候補と戦える嬉しさみたいなものが見えました。アップが始まると、サブの選手が「オラオラ気合い入ってねーぞー!」と煽り、徐々に気持ちも盛り上がって行きます。
 

  

 

  
試合開始直前には、選手、スタッフ、マネージャーが応援席に近寄り、ピッチに入れない選手達、OB、同級生らと、総勢100人にも及ぶ、大きな円陣を組んでいました。胸が熱くなりました。


   

 

 

そうそう、ここ何試合か新しいチャントが増えているなあと思っていたのですが、聞くところによると、応援団長を買って出ているのは、2年生の一般の男子生徒。サッカー部員ではありません。なんでもベルマーレの熱狂的サポーターだそうです。「あいつにユニフォーム作ってやれよ!」と、うちで兄が言ってました。ちなみに次男のチャントの新曲は『♪あるう日、グランドに、ゴリラが、いました〜♪』女子サッカー部の子も一緒になって応援していましたよ。







 試合終了後、身支度を整え、スタンド脇で0Bや応援してくれた友人達と、顔を合わせ、笑顔が戻ってきました。延長でピッチにでた2年ヤマジは部長にヘッドロックをかまされてます。
 

航平はGKコーチの海野さんと、なにやら話してました。神大の先輩(アンちゃんの同期生です)、神奈川教員のチームメイト。国体の神奈川代表選手です。
  

 
 前監督、高梨先生のお話です。この日も厳しい目で試合を観戦していました。


 




全体ミーティングの後、3年生が、2年生に声をかけています。「頑張って、レギュラーとれよ!おまえならできるよ!」


  





次男も、この一年間ずっと中盤の相棒だったカズマ君に声をかけられていました。自分とプレーのイメージが違ったり、いろいろ悩んでいた時期もありました。だからこそ、彼のことばはじーんと響いたようです。 



「おまえとやれて最高だったよ。」









試合は完敗でした。私が最も感じた事は「切り換えを早く」というのは「切り換え時に正しい判断を早く」ということなんだ、ということ。高梨先生は「キックの精度」を話されていたそうです。桐光のような強いチームからから学ぶことは、いろいろあると思います。
でも、ごく普通の公立高校も悪くありません。ことサッカーに関しては、さほど大きな意味は持たない事かもしれませんが、案外この先、大切になるようなものにも出会えているのかもしれません。「勝った」「負けた」「強い」「弱い」だけで物事を見てると見逃しちゃうものもあります。

大きな試合で敗れた後に、後輩にこんないかした言葉ををかけられる人に、私は息子になってもらいたいと思います。








それに、

「勝てない事もないな」とも、ちょっと思いました。



10/30のてびサル
参加14 コーチ2