その日こと、もうひとつ

前々回のブログで書いた、10/14のてびサルについてもうひとつ。
私はジュニアの練習をしていましたが、実は三人以外にもう一人、同じく高3の次男に手伝いを頼みました。

お願いしたのは、三角形に分かれてツータッチでまわす、パス&コントロールの練習でのデモンストレーションです。「左から来たボールを、右足インサイドでコントロールして、右足インサイドで自分の右側の選手にだす」という基本的な練習に、ボールを受ける前の予備動作を入れたものです。これも、サッカーの教則本みたいなのにも載ってる、シンプルな練習です。


もう、ひと月ほど前になると思いますが、朝日新聞編集委員の潮智史さん(筑波大サッカー部のご出身だったと思います)の『side change』という記事に「狭い空間から見える景色」と題したコラムがありました。香川真司らの「狭いエリアで生き抜く術」を「パーソナルスペース」という言葉を鍵にまとめた、大変面白い内容でした。
相手に囲まれた狭い空間でのプレーを評価されて、香川はマンUというビッククラブに呼ばれたわけですが、彼が生きるかどうかは、香川自身の問題よりも、彼を周りが生かせるかどうかにポイントがあると思っていました。潮さんはそのことを「ルーニーは(狭いエリアでパスを要求する香川に)平気で速いパスを出すが、若い選手は出さないし、出せない」と書いていました。ルーニーと香川はプレーができるスペースが「共通して小さい」。「自分を物差しに、香川の状況を狭すぎると感じる選手はパスをだす勇気を持てない。」と。
狭いスペースにパスを入れて、相手の守備ブロックを攻略して行く方法は、言うまでもなく、バルセロナやスペインに代表される戦術ですが、これは、単に一人の選手の受ける技術が突出していれば成り立つものではないのです。


先月次男が参加してきた関東トレセンの練習会で、アップで前述の三角のパス回しをやったそうです。各ポイントにはマーカーが置かれ、その1メートルちょっと後ろで準備。受ける前に、前のマーカーを敵に見立ててチェックの動きを入れ(素早く)少し後ろに下がってパスを受けます。つまり、その一歩下がった時の自分の周りに出来た空間が、その選手がプレーするスペースなわけです(さらにこの時は、各ポイントに二人づつ入り、パスを出した直後に次の選手がでて、リターンをもらう動きを入れる事を求められていたそうです)。


私がだすパスについて「今のは遅い」「今のはちょっと早い」と注文をつけながら、次男は小学生相手に説明をしていました。

「そこまで話しても、ちょっと理解できないだろうな」という内容も(本人も迷いながらも)説明していました。隣のコートで中学生の相手をしているY君の方が、伝える力はどうもリードしているかなと、私は思いましたが(この時の二人→http://d.hatena.ne.jp/tebisal/20120926#1348659570)次男が小学生に伝えたがっていたことが、きっと自分のこだわっている部分なんだろうなと思えて、それはそれで面白かったです。


この日の昼間に行われたKS日藤戦。なかなか見応えのあるゲームでした。2-1で勝利した清流は、勝ち点で首位に並びました(得失点差で2位)。明日21日に、日藤グラウンドで同じ組み合わせで選手権予選が行われます。恐らく、高校選手権予選という大会の性格上、こういった中盤でパスを受けて、組み立てて、という展開は減るのかな、と予想されます。さてどんな結果が待っているのやら。