また新しい4年が始まる(後編)

「オレ、今までサッカーやってきて、ここまで衝撃受けたの初めてだから。」
先日、FC東京と練習試合をやった兄が高校生の弟に枕元で語っているのを、聞き耳をたてて聞いていました。狭い家なので聞きたくなくてもほとんどの会話が聞こえちゃう、普段なら「うるせえなあ」と思いながら、すぐヘッドフォンで音楽を聞き始めるところですが、今回の話は…いやはや。

 関東大学リーグのチームは、Jリーグチームとの練習試合はそう珍しくもありません。でも、大抵はシーズン前や中断期間中、もしくは、前日試合に出ていなかったメンバーとのゲーム、というのがほとんどでした。
 しかしこの日は、ワールドカップで中断後の再開直前。フルメンバー。全員トップコンディション。あいつの言い方を借りれば「全員ガチ!」ということだったらしいのです。

 「あのさ、今野は『上手くない』みたいなこと言われんじゃん、うそうそ。上手い上手い!全然とれない」「オレらさ『全員集まれー』ってやらせようぜ、なんて冗談言ってたんだけど、もうごめんなさいってかんじ」から始まって「平山、ひょろっとしてそうじゃん。太い太い」「中村北斗やーばい。もう動きっぱなし。フィジカルの鬼」「オレの全力疾走がさ、石川の一歩目!」「あいつ、右サイドから中に切り込んでってシュート打つの得意じゃん。…あれ、目の前でやられました(涙)」

 0−9という結果も初体験だったようですが、それ以上に、J1でも代表クラスのプレーをモロにくらったことがまさに「衝撃」だったようです。
 
 http://www.fctokyo.co.jp/home/index.phtml?cont=item&item=9766
 http://jindai-fc.com/blog/staff/2010/07/tm-vsfc.html 
 

 

 「オレら(関東大学リーグ)もさ、みんなそれなりの経歴でさ、プロ目指したりもしてるわけだけどさ、あいつら違うんだよ。目指してるのが世界」

「世界をめざせ」と口で言うのはたやすいのですが、今ほど日本のサッカーが、世界のトップとの具体的な距離が見えた時はないのではないでしょうか。
 長友はイタリアへ渡り、今野は少しだけ実際に感触をつかみ、石川や平山や徳永はもう少しのところであそこに行けず、そいつらの必死なプレーを生身で受けちゃった兄は大学最後のシーズンを戦い、その話を「まじ!そんで、そんで?」と聞いていた弟は…    
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11日のてびサル 参加9 コーチ4 助っ人1 ギャラリー2
部活もクラブもプロもアマも、てびサルも。
世界中のサッカーにかかわる人の、新しい4年間がまた始まったのです。


↑久しぶりのtommyコーチ。いつも新しい何かを持ってきてくれます。


そう言えば、兄は眠りにはいるちょっと前にこんなことも言ってました。
「帰りの電車で話したんだけどさ、日本がデンマークに勝ったのって、オレらがF東に勝つようなことだったんじゃねえのって」