エンゲル#1  4861

はっきり言って、作るより食べるほうがずっと好きです。それも自分で作るんじゃなく、誰か上手な人に作ってもらいたい。
作ってくれる人がいないので、仕方なく作ってます。それもまた、何の因果か、山のように。
食の専門家でも何でもありませんが、成長期のスポーツ選手の食事を預かっているという意識だけはあって、調べたり話を聞いたり、そしてなるべく出来ることはしようとしてきました。
何かの参考になればと思うので、思い出すままちょっと書いていってみようかと思います。その1。


単純なことです。
必要なエネルギーより、食べる量が多ければ太る。
必要なエネルギーより、食べる量が少なければ痩せていく。
20代男性の1日に必要なエネルギーは、軽作業の人で約2200kcal〜肉体労働の人や1日に1〜2時間スポーツをする人で約3500kcalと言われています。20代女性では、同様に1800〜2800です。


で、試合当日のある1日、中村憲剛の摂取エネルギーは、
4861kcal
だそうです。
それでもちろん彼は太っているわけではないのですから、それだけ必要だということになります。
逆にそれだけ摂らなければもたない、パフォーマンスも保てない、ということです。


水泳選手や自転車の選手は更に6000とも7000とも聞きます。
成人が過剰に摂るなと言われる、甘いもの、マヨネーズ、脂肪分などをわざわざ選んで加えてまで、そのカロリーを摂っている水泳選手の食事をTVで見たことがあります。
プロを引退した女性の選手が、引退して何がうれしかったかというと、無理に食べなくてもよくなったこと、と答えていました。


3度の食事で、これほどのエネルギーを補えるはずがありません。
上記の中村憲剛の例だと、朝食・昼食・軽食・夕食と固形物で4回、ほかにゲーム前・ハーフタイム・ゲーム後にゼリーやアミノ酸など。
プロスポーツ選手にとって、食べることは仕事の一部なのですね。


成長期の中学生・高校生の食事は、また事情の違うところもありますが、必要な栄養を摂らなければならないのは同じです。
朝食を食べない、食欲がないから食べない、甘いもの食べちゃったからご飯は食べない、など論外。
激しいトレーニングや試合の日に、必要なエネルギーを補給しなければ、消耗していきます。
取り込まれた栄養はひとまず優先的に生命維持分にまわされるので、足りなければとても成長の分にまで行き渡らないことになります。
成長期の中学生・高校生スポーツ選手にとっても、仕事と思って食べろ!ってくらいじゃないでしょうか。


子どもに、「いいよ、いいよ、食べられなかったら残していいよ」とやさし〜く言ったことは、たぶんないんじゃないかと思います。
どちらかと言うと、「吐いてでも食え」で、きました。
でも、親の目に入ったり親が口出ししたりするのはせいぜい18年かそこらがいいところ。遅くてもそれまでには(もっと早くてもゼンゼンいいけど)、本人が自覚的に自分の食事や体調の管理をするように持っていかないと、と思います。それが、自立ですもんね。


GIANT KILLING(17) (モーニング KC)

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