ビルドアップ

腰中サッカー部、新人戦で、勝ち進んでいるみたいですね。なんか、間の抜けた感じですが、以下は、先週の日曜日、新人戦前の練習試合の報告です。ま、次の試合に向けて、観戦の手引きくらいの気持ちで読んで下さい。


10月31日、久しぶりに腰中サッカー部の試合を観戦しました。村岡中、舞岡中を招いて、ホームでの練習試合です。


9時半頃から始まって午後の3時くらいまでだったでしょうか。B戦も含めて、ほぼ全試合観戦しました。2週間ぶりの休日だったのですが、その一日の大半を(帰ってちょっとすれば、てびサル)サッカーに費やしちゃいました。夜は夜で、スカパーで海外サッカーを見ながら、ウトウトするわけです。少しどうかしてます。


まいいか。で、腰中のサッカーを見ての感想。

一戦目の村岡中戦は、相手の10番が「うまいなあ」と、そこばかりに目が行ってしまいました。多分、中盤ダイアモンドのボランチか、4・3・3の真ん中だと思うのですが、後ろから前に巧みにボールを運び、フィニッシュにもからみます。あとで、聞いたところによるとDFの5番とともに全国中学校サッカー大会の準優勝メンバーだったとか。さすが余裕です。
しかし、いくらなんでも余裕を与え過ぎ。まったくこちらの中盤からの圧力がかかっていませんでした。トップ下が行くべきだと、私は見ていたのですが、10番はほぼフリーでボールを受け、さばいていました。相手のキーマンを自由にやらせちゃいけません。
途中から、腰中右サイド15番に変わって7番シュウちゃん登場。それまでのトップ下が右にまわって、シュウちゃんがトップ下に。そこからは、頻繁に10番にアタックをかけていたので、少し溜飲を下げることができました。
あたりまえのことは、まずやらないとね。





腰中Aの試合は一勝一敗だったのですが、気になったのはボールの運び方。ボランチを経由することが少ないなあと、思いました。
センターバックからサイドバックに。そこから次の選択肢が自分の前の選手、つまり左サイドバックなら、左サイドハーフへの頭越しのパスというのが多かったなと思うのです。

図1



真後ろから来たパスは、相手DFがボールとマークする選手を同一視野に入れられるため、守りやすい上にパスを受ける選手にとっても、処理しずらい。もちろん、これが「いけない」というのではありません。上手く処理すれば、一気にセンタリング、もしくはフィニッシュまで持っていけます。サイドの選手が、スピードも技術も申し分なく、相手DFに勝てる確立が高いなら有効な選択肢だと思います。

ただ、それだけだと少し単調かな、と思いました。

一度サイドバックからボランチを経由するだけで、ボールを前に運ぶ経路は増えます。同サイド、真ん中、逆サイド…。

同サイドのハーフにもう一度出すにしても、足下(図2 パスa)、DFの裏(パスb)と、どちらも狙えます。ボランチからのパスは斜め後方から。DFは出し手と受け手を同時に見ることができません。逆にサイドハーフは、タッチラインを背にしてフィールド側に体を向け、広い視野を確保したままボールを受けられます。そのままたてに振り切ってもいいし、中に切り込むこともできます。その場でためて、サイドバックにオーバーラップさせることも可能です。

図2


もちろん、こうして書くだけなら簡単なわけで、それを実行するためには技術が必要になるわけです。しかし「だから練習しよう」という単純な話ではないような気がします。
試合前の練習では、さかんに外から中、中から外、という前述したような形をパターン化したような練習をしていましたが、試合では上手くいかない。なぜか。ひとつは、敵が妨害するから。もうひとつは、難しいプレーを選択して失敗をしたくない、という感情が働くから、だと私は思います。

前述の場面で、左サイドバックのキュウちゃんは「中に入れよう」とも考えたはずです。ところが、前方の敵を避けて、ボランチのリクちゃんにパスするには、右足でないと、通りそうもない。左利きのキュウちゃんが、躊躇している間に敵はさらにつめてくる。で、仕方なく左足で、サイドハーフの前に、となったのではないでしょうか。

ボランチのリクちゃんにしても同様。実直な彼は、献身的にボールを追いかけますが、ボールを受けたときに余裕がまだない。失いたくないから、後ろに下げてしまう傾向があります。





私は、試合で試してみて「上手くいった」「失敗した」原因を自分で確認していくことが、一番技術が身に付く近道だと思うのですが、小学校、中学校と、試合結果が優先してしまうのが根深く関係しているのではないでしょうか。
選手を「うまくする」ことと、試合結果が結びつかないことが、町クラブや中学校の部活ではあります。要は、「へたっぴ」だからです。しかし「へたっぴ」でも、体力まかせで試合結果を引き寄せようとするような戦い方がサッカーではできます。なぜそんなことを指導者がするのかと言えば、多くの親御さんが、勝利を期待しているからです。そのカテゴリーでの勝利と、育成との狭間で、多くの指導者は苦労しています(たぶん)。

この後、腰中は新人戦で良い結果をだしているようです。育成と、試合結果が上手く結びつくように、なるといいですね。


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