縦パスを入れよ!

「ポゼッション」ということばがかなり浸透しています(うちのかみさんあたりでも使うわけですから)。
ポゼッションとは「ボール保持」を意味します。ボールを保持して常にゲームの主導権を握るというのが、先日のクラシコで衝撃的な強さを見せた、バルセロナの哲学と聞いています。
しかし、今回の一戦を見て、バルセロナの「ポゼッション」を「ボール保持」などという生易しい訳し方でいいのだろうか、と思ってしまいました。


バルセロナは試合を通してボールを保持し、マドリー相手に実に67%の保持率を記録したわけですが、見ていて驚くのは、縦パスの多さです。
ここが、私のイメージと決定的に違うところです。「保持」というと、「マイボールを大切に、相手にボールを渡さない」という感じで、斜め後方への安全なパスをまず想像します。
しかし、そうした安全なパスばかりでは、相手を崩すことはできません。


現代サッカーはどこもゾーンのディフェンスを採用していて、FWから組織的に相手ボールを奪うやり方をしています。
どちらか一方のサイドなどに寄せておいて、相手を袋小路に追い込むようにしていき、パスの出しどころをなくしたところで、複数の選手で奪いに行きます。弱気な横パスは、相手の誘導に導かれて、いずれ餌食になります。


バルサの、シャビ、イニエスタ、メッシらは、中央の相手がしっかりと待ち構えている人と人とのわずかな空間でパスを受けます。その空間は、当然相手にも見えている場所なのですが、瞬間的にすっと入り、そのタイミングで短くて速い縦パスが彼らの足下に入るのです。
最後尾から組み立てる際、センターバックから、おもにシャビに向けて縦パスが入ります。ほんとに簡単に受けるのですが、次の選手がまたすっと動いて、そこにシャビから(または一度後ろに戻した選手から)パスが入ります。
そうして、2本3本とパスをまわしながら相手を中央に寄せておいて、両サイドのビージャや、ペドロに長めのパスがだされ、一気にフィニッシュまで持って行きます。



バルサのポゼッションは「崩しのパスまわし」なのです。






てびサルは今回も豪華な面子。出し手がいいと、潜在能力が目覚める?

5日のてびサル 参加14 助っ人4 コーチ3 ギャラリー5