勝利の追求と育成とのさじ加減

21日のアジア杯、日本×カタール戦は、本当に興奮しました。おもしろかった。
もちろん、日本が勝ったからこんなこと書いている訳です。
もし敗れていたら、2枚目のイエローカードをもらった吉田選手のプレーや、その前の軽卒なパスミス、退場後のFKに対する川島選手の処理(よくわかりませんが、あれはお粗末ですよね?)など、アジアで中東の国相手に(もしくは審判に)あたふたする日本代表のプレーをまた刷り込まれる、後味のいやなゲームでしかありませんでした。


カタールの先取点の際の吉田選手のセバスチャンへの対応も、軽かったあ。
初めてアジア杯を戦う選手にとっては、恐らく、私など想像できないような異様な状況におかれているのだと思います。
でも彼は、中澤、闘莉王という日本サッカー史上最高のセンターバックを引き継ぐ逸材だと思うので、ぜひともこの試合でのいくつかの失態を将来への糧にしてもらいたいと思います。


などと偉そうに語れるのも、日本が勝ったからです。
嬉しかったのは、厳しい状況の中での逆転劇が、2得点とも意図的に崩して奪ったものだったことです。決勝点の長谷部選手のも鬼のようなスルーパス(たぶん一回、シュートのフェイントが入ってます)に抜け出した、香川選手のファーストタッチと、その後の小刻みに肩を揺らすドリブル。そして、そこになんでいたの?の伊野波選手(本人のコメントどおり、そこまでは攻撃の面で精彩を欠いていましたが)。
たまらないゴールでした。いやそれにしても、本田、遠藤、長友、岡崎、最後の香川と、5人も倒されているにも関わらず、よくぞ笛を吹かなかった。全く、不思議な審判でしたが、助かりました。



さてさて、仕事に一区切りがついて、22日の土曜は久しぶりにジュニアの練習に顔をだしました。
めったに顔をださない、ほとんど役に立っていないコーチだっていうのに、子ども達も父兄の方々も、知らんぷりしないで、応対してくれました(よかった…)。
一番嬉しかったのは、何人かのコーチさんと、育成談議ができたことです。

それぞれ、お一方ずつ、練習の合間の立ち話程度なのですが、私にとっては興味深いものでした。


「勝利の追求と育成とのさじ加減」とでもいったところが、テーマだったしょうか。


例えば、キーパーがキャッチした後に、パントキックで相手陣内に大きく蹴り込む。
一方、キーパーがサイドバックにパスして、つなぎながら前方へと組み立てて行く。
大きく蹴り込んだボールが、偶然味方に渡り、それがゴールにつながることもあるでしょう。丁寧につないでいけば、当然相手の妨害をかいくぐらなければなりません。


もし今私が、ジュニアの監督なら、やっぱりクリアもさせるし、蹴れる子がいればロングボールも必要に応じて織り交ぜると思います。
ひと月後に強豪相手との試合を控えていたら、後方に守備ブロックを組む練習に時間を割くかも知れません。
しかしチームの骨格は、ボールを持つことで、こちらが主導権を握るサッカーを選ぶと思います(想像ですから、なんとでも言えちゃいます)。


パスをつなぎながらゴールへ近づいて行く方法は、道のりは一見遠いですが、上手くいけば確実です。結果的に近道。つまり目的地に早くたどり着くわけです。
そして、そのような方法をコーチがとらせることによって、キックの精度や、パスの受け方、ドリブル、状況判断、切り換えの速さ、など、子ども達に伝えるべきことが、次々に出てくる。
目の前の勝負を落とすこともあるかもしれませんが(もちろん、勝利は目指します。それは大前提)、未来の『Good footballer』を生むには、こちらの方が確実な道ではないか。


かなり誇張したまとめ方ですが、そんな話の内容でした。



香川選手は素晴らしい。でも彼の見事なファーストタッチや、ドリブル、シュートといった技術を生む手助けをしてきた指導者もまた素晴らしい。…今夜は韓国戦です。








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