ソラニン

ソラニン』という映画のDVDを観ました。宮崎あおいが「ギターを弾いて歌う」というTUTAYAにあった触れ込みに、つい惹かれて借りてきました。以前観た『リンダリンダリンダ』の印象を求めていたのかもしれません。


ソラニン スタンダード・エディション [DVD]

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大半は、映画としての優劣どうこうではなく、私としては「かったるい」展開でした。
物語は、大学の軽音部で知り合った男女の、卒業後もバンドで食って行く夢を捨てきれずに、バイトや仕事を辞めたり、現状に満足できずにいる日々が描かれています。その危うさのようなものに、私は自分を投影してしまい「お前ら、もうちょっとしっかりしろよ」と、すっかり監督の意図にはめられてしまいました。
そのかったるさを存分に見る側に味わわせておいて、クライマックスの、宮崎演じる芽衣子が歌うライヴシーンへと連れ込まれるのです。『リンダ…』と同じ手口で、エンターテイメントとしてはひとつの型なのでしょう。


特別才能のない者に「バンドで何かが出来るかもしれない」と思わせるのは、ロックの持っていたある種の魔法のようなもので、これで勘違いしちゃった人は世の中にゴマンといるような気がします。大抵はそのからくりに気づき、自分の中で折り合いをつけながら普通の生活を必死に生きて行く訳です。
バンドのギターボーカルで、芽衣子と暮らしている種田は、プロの世界に失望したりバンドを諦めて一度やめたバイトに戻ったりして、彼女と生きて行こうとするのですが、これでいいのかと自問し破滅的な道を歩んでしまいます。種田の内面をあまり掘り下げることなく、映画はクライマックスに向かうのですが、彼のこのくだりをさらっといってくれたのは良かったかな、と思いました。


バンドで歌う宮崎あおいの演技は見事です。これをやるための映画だったんだと、思いました。




すっごく昔の話ですが、友人の女性が自分の作った渾身の自信作である楽曲を持って、ある音楽プロデューサーに見せに行ったことがありました。そのプロデューサーは、彼が当時担当していたある女性ミュージシャンと比較して、「作曲家としての彼女を大学生とするなら、君はまだ中学生」とはっきり言ったそうです。「玉砕しました!」と彼女がすっきりした顔で話していたことを覚えています。
その話を聞いて、あたりまえのことなのかもしれませんが、ロックやポップスの世界にもプロとしてやっていけるかどうかの「物差し」があるのだと、私は実感として初めて知りました。「プロってすげーな」と。

もっとも、その友人、本人の当初の思惑とは裏腹に、今では労働者の亭主と二人の息子に「飯まだあ?」「肉は?」「これ明日までにソッコー乾かしといて〜」と過酷な暮らしを強いられているとか。「こいつに会ってなきゃ、今頃私の才能は…」と嘆いているとかいないとか。お気の毒に…。




音楽でもサッカーでも、やりたいのならばいくらでもできる。技術を高めることもできる。
でも、プロになるには選ぶ側の物差しで測られなくてはなりません。
何年も具体的な努力を重ねてその目標を目指し、駄目だったら潔く諦める。そういう生き方に私は惹かれます。





大学サッカー引退後、毎週のようにてびサルに来ていたのり君が、オーストラリアに旅立ちました。プロチームのセレクションのためです。
「明日、発ちます…。いろいろお世話になりました。」無口な彼はそう言って、一足先に体育館を出て行きました。



この短い期間、彼にとってここがトレーニングになったとはとても思えないですが、彼とプレーすることができた中学生にとって、その体験がどれほど貴重なものだったか、測り知れません。どうもありがとう。
ケーヒルみたいなやつらがゴロゴロいるかもしれないけど、片っ端からやっつけてくれ!


good luck!




腰中1年 鎌倉市1年生大会優勝。おめでとう!



あと、これ ↓
http://www2b.biglobe.ne.jp/~isao/u-16youth2010.htm




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                    (kazu)