「おれ、パスサッカーやりたい」

先週、久々にKFCの自主練を見学しました。参加者がたくさんでびっくりしました。
開始前に、私の座ってるそばで6年生のTくんが、「おれ、パスサッカーがやりたいんですけど」とコーチに懇願。思わず吹き出してしまいました。
彼のまっすぐなキャラは素晴らしいのですが、唐突に切りだしたその言葉と、これから始まる自主練のゲームとのギャップを想像すると思わず笑ってしまったのです。ごめんね、Tくん。



自主練のゲームは、思った通りドリブル中心。なるべくおとなが口をはさまないで、ストリートサッカーっぽく子供らに任せる。
ただ(この人数もあるのかもしれませんが)、ゲームにかかわってない子が多過ぎます。そこで、Tくんの発言がでてきたわけです(たぶん)。
恐らく彼は、なんかつまんないと感じていたのではないでしょうか。
「パスサッカー」というサッカーのジャンルがあるのかどうかはともかく、「ドリブルサッカー」とでもいった自主練のサッカースタイルを、Tくんは果たしてどう変えようというのか?



ゲームが始まるとTくんは、いろんなところに動いて仲間にパスを要求します。「はい!はい!はい!」手をあげて声をだして、一生懸命パスを求めるのですが、ボールを持った仲間はおかまいなしにドリブル。
それでも、コーチからようやくパスがきました。しかし、トラップミス!相手に渡ってしまいました。
あーあ。授業中にやたら元気に手を挙げてるのになかなか先生に指してもらえず、やっと指してもらったら答えを間違っちゃったってところですか?



でもTくんはめげません。
ハーフタイムに、体のでっかいチームメイトに「あのさ、ここに、ボールを持った人がいてさ、ここに敵がいてこっちにパスがだせないじゃん…」「ふんふん」あれ、これどっかで聞いた話だぞ。月一のてびサルジュニアで私が説明したことを、そこに来てない友達に一生懸命説明しています。嬉しくなっちゃいました。
「オレがここでさ、◯◯がここ。そうすれば、こっちにまわせるじゃん」「ふんふん」でっかいチームメイトはわかったようなわかってないような返事をしています。
「Tが、ここに入ってみりゃいいじゃん」地面に書いたTくんの図面の真ん中の◯を指差して、ひとこと口を挟んじゃいました。余計な口を挟むオヤジがブラジルやアルゼンチンのストリートにもきっといるに違いないとか思いながら…。



さあ後半開始。
相変わらずTくんの思いどおりのサッカーは展開されないのですが、Tくんの位置取りに変化が。
前半に「はいはい」と手を挙げていた場所は、前線のサイド。後半は最後尾のちょっと前で、前半の最後にあったようにセンターバックのコーチからのボールをまず受けようとします。トラップがまだまだなので、パスを受けても次になかなかつなげませんが、兆しが見え始めています。
そして、後ろから受けたパスをなんとか処理して、左サイドへ。そこからまた中で受けた子がシュート!
惜しくも入りませんでしたが、ちょっとだけ「らしく」なりました。
一瞬ではありますが、ひとりの選手に呼応してサッカーががらっと変わりました。不思議なものです。
Tくん、いろいろ戦術を知ると面白くなるぞ。



なにやってんのこれ?


ちなみに私、ドリブラー、嫌いじゃありません。今、日本人で一番気になるドリブラーは…宇佐美?宮市?
いえいえ『イワブチ』です。
岩渕真奈、18歳。来ますよ。この選手。 
(kazu)

 

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