ブルーにこんがらがって

なでしこジャパンの大活躍中、身近にいる男子サッカー選手が「サッカーなんてめったに見ないおじさんが、今、コレだけ見てさ『…それに引き換え男子サッカーは』みたいなこと言うんだよね。ホント腹立つ」と言っていて、「あーそういう人は、おじさんでもおばさんでも、そこいら中にいる」とエラく納得しました。


まあ、そういう発言というのは特に深く考えている訳ではないと思われ、気にしなければいいのですが、深く考えた訳ではない発言の方が、単純なだけに妙に説得力があったりして、ぱーっと広まったりするから、困りモノです。


誰が何を言ってもいい国ですが、あんまりわかっていないことは、小声で、おくゆかしく言いましょう。
澤 穂希選手が「最近になって、ようやくサッカーがわかってきた」という発言をしたのを、どこかで見ました。女子ワールドカップの得点王にしてMVP、日本代表18年の選手が「ようやくわかってきた」世界なんですから、私たちが知ったかぶるのはやめましょう。


ちょっと前に、同じ高校のチームを応援する女性が、とても素朴で真っ当な質問を私にしてきました。「どうして、あんなにチャンスがあるのに点が入らないのでしょう?」僕は「うーん、むずかしいですねー」と答えたあとに「でも、シュートチャンスを多く作っているのは、いいと思うんです…」と言い、あれこれ考えながらとりとめなくしゃべり始めました。


シュートチャンスをより多く作り、反対に相手にはチャンスを与えない。そうすればより勝利に近づく、と思う。
ところが、その日の試合のように、いくらチャンスを作っても、点が入らず、セットプレーからの2失点で敗れてしまう。バルセロナが弱小チーム相手に圧倒的に押しながら負けてしまうこともある。それが、サッカー。
だから、より勝つ確率が高い(と信じる)サッカーをつきつめる事が大切。
その高校チームは、攻撃のやり方がはっきりしている。チャンスも多く作る。あとはシュートの問題か。しかし、前線の選手の役割は多く、運動量も多い。それをこなした後の、最後の仕上げだから、精度が落ちるのではないか。
サッカーは相対的に力に差があると、個々の戦闘能力で圧倒できてしまう。そういうゲームでは、戦闘能力の高い方が、自分達のペースで試合を進められるので、疲労度は少ない。だから、シュートチャンスでも、余力、余裕があり、ゴールを決める確率は上がる。
その日の試合はリーグ戦で、力が拮抗した相手。常にこちらが主導権を握っている訳ではない。守勢に回ることもあるわけで、当然疲労度は増す。従って、シュートチャンスで精度が落ちる…。


なんともややこしいですが、私なりに結論にたどり着きました。
トーナメントで、力が上の相手に対し、スタイルを捨てて守りきってPK戦狙い、というのはアリだと思いますが、リーグ戦でそれは、基本的にナシ。彼らは育成年代なんだから。自分達のやり方、スタイルを貫く中で、課題が見えてくるんだと思います。戦闘能力の伸びしろはあると思います。


複雑なんだけど、そこを解き明かして行くところに、面白味を私は感じます。



女子の決勝の裏番組で、コパアメリカの準々決勝、ブラジル×パラグアイ戦をやっていましたが、こちらは、3連覇を目指すブラジルを、パラグアイPK戦の末に破りました。パト、ロビーニョに加え、売り出し中のネイマール、ガンソを80年代の『黄金のカルテット』に例え、創造的なサッカーの復権と優勝を狙っていた訳ですが、どちらもかないませんでした。
一昔前、ブラジルが公式戦、しかも南米開催の大会でパラグアイに敗れるなんて、そうそうなかったんじゃないかな?(小声です)。言うまでもなく、パラグアイは、昨年のワールドカップで日本がPK戦で敗れた相手です。

ブラジルだけでなく、開催国アルゼンチンも敗退。
メッシを筆頭に、マスチェラーノ、ディマリアら、ヨーロッパのトップクラブで活躍する選手をずらりと揃えた陣容で臨みましたが、ウルグアイにやはりPK負け。この2強が、南米で絶対的な力を誇示していた時代は、もしかしたら終わったのかもしれません。そして、世界有数の個人を何人集めたから、試合に勝てるというわけでもないようです。
なんと複雑で矛盾に満ちた世界か…。混沌としてます。


(webより)

↑ 酷評だったセレソンの新10番ガンソ。でも、気になる選手です。



それにしても、なでしこジャパン。本当に素晴らしい。
宮間のキックの精度とか、澤のゴールはどこにあたったのかとか、ワンバックはすごい選手だったとか、いろいろあるんですけど、一番はアレですかね。PK戦前の円陣における佐々木監督の笑い顔。ホントにびっくりしました。あんなの見たことありません。


(webより)

やった!

(kazu)





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