巧くなりたいなら…

次男が神奈川のU-16に久々に呼ばれたので、清瀬市のグラウンドまで、関東U-16トレセンリーグを観戦に行ってきました。相手はU-16東京です。

柏レイソルが、サントスとCWCを戦っている晩、日産スタジアムの隣にあるフットボールパークで練習会があり、そのときの出来がなかなか良かったので、今回は先発もあるかな、と思っていたのですが、期待どおり先発。ボランチでフル出場でした(余談ですが、練習会の晩、試合もないのに日産スタジアムには灯りが…トイレを探しにうろついていると、なんか警備員らしい方がちらほら。誰もいないのに?後で知ったのですが、バルサが練習していたそうです。忍び込みたかったあ〜)。

相手も相手だし、あちこちで厳しい目の光る独特の雰囲気。出足は、自分をボールが経由しない展開で、このまんまいっちゃうと、悲惨な結果もあるかな、なんて思っていたのですが、簡単にボールを捌きながらリズムをつかみ出すと、機を見てミドルを打つなど、自分にもチームにも良い流れを引き寄せ始めました。20分くらいだったかな、右からスローインを受けるとスルスルと中へ切り込み、ゴール側へ顔を向けながら、体と逆の右側へスルーパス。先制点のアシストとなりました。


前日に大学生との練習試合にフル出場し、夜に帰ってきて、この日は4時半に起きて東京へ。一週間ほど前に「なんか胸がいてえ」とか言ってたので、部活帰りに診断してもらったら、肋骨にヒビ(いつどこでやったか不明)とのこと。「U-16に行くかどうかは、親と相談して決めろ」と監督には言われたそうです。でも、相談もなにもありません。帰ってきたら
「行くから」
のひとこと。こういうのは、親として(それから一応指導者の端くれとして)如何なモノかと思ったのですが「行く、っつんだからしょうがないべ」ということで片付けました。くれぐれも良い子は真似しないように。

だからかどうかわかりませんが、適度に力が抜けていたような気がします。パスを受けて前へ運べそうもなかったら、もう一度下げる。狙えそうな時も、なんでもかんでもスルーパスとかじゃなくて、フィニッシュの二つ三つ前を選ぶ。地味ですが、いいプレーをしていたと思います。「周りがなにせ上手いから」どこにでも預けられる。パスミスはありましたが、インターセプトも、持っているボールを奪われることもなかったと思います。

周囲に偉い人が見ているからと言って、特に気負ったところもなく、淡々と自分のやるべきことをこなしていました。「別に俺のことなんか見に来ちゃいないよ」なんて言ってましたが、手応えは感じていたようでした。高校に入って2年。テーマを持って、練習や試合をこなしながら、少しずつ成長してきたように思います。


それにしても、リードした最後の5分ほど、ボールをまわしながら時計を動かし、機を見てゴール前まで運ぶ、「うめえなあ」と本当に感心させられました。

結果は4-2で神奈川の勝ち。これで首位にたったようです。

翌朝も4時に起きて、今度は沖縄に修学旅行。忙しいこって。
肋骨に気をつけて…。




その晩はてびサルJr.
CWCの決勝、バルサ×サントスの真っ最中だというのに、大勢やってきました。

でも私は遠慮なく、この晩も大声を張り上げました。
「なんで、だした後につっ立ってんだよ!」「ミスしたことより、その後なんにもしない事の方が問題なんだよ!」「痛いなら、出てろ!」
もうちょっと口汚かったかも…。全然いい事だとは思っていません。いつも、帰ってから反省します。

だけど、ちょっと巧くなると満足していい気になる、ちょっと厳しい状況になるとへこたれる、という選手に私はなって欲しくありません。


帰宅後に録画したCWC決勝の観戦。
メッシ対ネイマールという図式でCWCをマスコミは盛り上げようとしていました。「うるさいな」と思っていたのですが、私もそんなところを気にしてみて見る事にしました。


メッシが世界1のアタッカーであることは、口を挟む人はいないと思うのですが、アルゼンチン代表では結果をなかなかだせません。メンバー的にも申し分ありません。なぜなんでしょう?

ものすごく巧い選手達が、練習や試合を積み重ねて行く中で、お互いを理解していく。欲しい時に、ジャストの位置にパスがくる。仮にボールを失っても、仲間があっという間に取り返す。アンサンブルも絶品だけど、ソロの魅力も殺さない。今のバルセロナは、そんな熟成したチームだと思います。

一方サントスは速攻型のチームだと思いました。準決勝は敗れた柏の方が、ポゼッションは上回っていたんじゃなかったかな?ブラジルは速攻も巧い国。それはそれでいいんだけど、目新しさも徹底された戦い方も感じられませんでした。
モウリーニョファーガソンといった、名将達が率いる、難敵との幾多の勝負を繰り返している、バルサを相手にするとしては、ちょっと物足りなさを感じました。

チームとして、突出した個人を生かしているかどうか、そのあたりの差を両チームから感じました。


後半40分あたり。奪ったボールが中盤の深い位置からネイマールに渡ったシーンは象徴的でした。パスが出るか出ないかのタイミングで走り出したネイマールとほぼ同時に、その後ろでマスケラーノが猛然と自陣に向けてダッシュネイマールがゴール前でシザースを仕掛けている最中に追いつき、挟んで奪い返してしまいました。柏戦を参考にしっかりと対策をたてていたように思います。

世界のトップレベルでは、スーパーな選手がいれば、勝てるというものではないようです。


ネイマールのドリブルの切れは、確かにすごい。でも、ボールが来なければただの選手、というのでは、なかなかヨーロッパのトップチームでは働けないのではないでしょうか。それはガンソもしかり。バルサを破るために、今やあのC・ロナウドですら前からディフエンスをするのです。

授かった才能を、この先、どこでどう伸ばすのか?


(webより)

ブラジルのエース候補だって課題があるんですから。君らが満足していていいわけがないんです。   (kazu)


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