道なき道をゆく

【関東大会番外編】応援道中膝栗毛。


5月12日、関東大会出場が決まった試合の帰り、応援に来てくれていた先輩保護者に、「これから忙しくなるわねー」と言われたのです。その時はピンと来ず、へ?なにが?と思っていたのですが、翌週その意味を嫌でも理解することとなりました。
OB会への寄付金のお願い、応援バスの手配、タオルやTシャツの作成、お金のやりくり、祝勝会……怒濤の日々が襲ってきました。
経験したことのある人はなく、やることは沢山。たった3週間の間に、決めること、手配することがてんこ盛り。
なので、実際に関東大会の初戦当日、完成したタオルやTシャツを配ってバスに乗り込み、無事に現地に着いた時、思わず「ああ、着いた〜」と安堵のため息が出てしまいました。




関東大会の初戦に勝ち、10数名の保護者は宇都宮に残りました。
競技場から宇都宮の駅周辺へ出るのに、バスは本数がなく、タクシーも通らず、私たち10数名は楽園を目指す流浪の民となって、てくてくと1時間近く歩きました。そしてやっとたどり着いた駅周辺で、宿探し。夜は餃子をおなかいっぱい。
翌日は、荷物をまた全部持って、普通の路線バスにてグリーンスタジアムへ向かいました。
一番近いバス停で降り、コンビニでお昼を買いがてら道を尋ねて、教えてもらった方向へ、またしてもてくてく。住宅の間の坂を下るとそこは、カエルの声が響き、のどかな風の吹く田園。。。
そのはるか向こうから、前の試合の応援の声が轟いてきます。「あそこだ、あそこだ」「ここ、つっきったほうが絶対早いよね」と、言っているうちに、U隊長が「行くわよ!」と先頭に立ち、あぜ道を歩き始め、我々、流浪の民はその後ろから列をなして、またしてもてくてくと。。。






私の頭の中には、中学生のころ朗読したあの詩が、数十年の時を経て、おのずと蘇ってまいりました。
僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る……





ああ、よく歩いたわ。

(A)