やる気を整える その1

ロンドンオリンピックで、男女サッカーがどちらも幸先のよいスタートを切りました。

私は正直なところ、男子の大会前のトレーニングマッチを見ていて、大丈夫なのかなと、心配していました。というのも、予選を戦った中心メンバーが最終選考で何人か落選し、オーバーエイジを含めた新戦力と入れ替わったにもかかわらず、実戦でのテストが明らかに不足しているだろう、と思っていたからです。

ところが、ご存知の通り、初戦優勝候補(と今になっては言えるのかどうか、少々怪しい感じではありますが)スペイン相手に堂々の勝利。関塚監督ごめんなさい、と言う感じです(この時点ではですが)。

相手の中では、ポゼッション力にやや難ありとされたセンターバックには、前から奪いに行く場面もありましたが、基本的には引いてブロックを作り、奪ったらワントップに据えた永井のスピードを生かしてカウンター、という戦術が完全にはまっていました。
カウンターも、単純に縦一本ではなく、清武、東、大津がからんで変化をつけることで、あのスペインを慌てさせていました。しかし、そのベースとなっていたのは、吉田、徳永と、山口、扇原を中心にした全員の守備意識だったと思います。

アトランタでブラジルを破ったゲームと、単純に比較するサッカーファンはあまりいないと思いますが、チームとしての完成度に日本のサッカーの進歩を感じます。
あの頃は黎明期というのでしょうか、まだ日本サッカー全体が、若くてナイーブだったんだろうな、と思います。



今にして思えば、トレーニングマッチは、シーズン終了後のヨーロッパ組と、シーズン中のJリーグ組のコンディションのばらつきの調整に当てたんだろうな、となんとなく納得できます。

それに、スペインが初戦にピークを持ってくるはずがないことは明らか。だから、この試合は行くぞ、この力関係なら狙えるぞ、ということを戦術、戦略も含めてチームで共有していたんじゃないでしょうか。トレーニングマッチも含めた短い期間で、言うなれば、やる気のコンディショニング、心の準備みたいなものの準備も上手くいったんじゃないでしょうか。


なでしこの佐々木監督に比べて、プレゼン力がなんとなく劣っているような関塚監督ですが、初戦の仕上がり具合を見ると、やるなと、川崎での経験はだてじゃなかったなと、思わされます。
このチームはブラジルの次のワールドカップ(どこでしたっけ?)のベースとなるチーム。そんなこんなも含めて今晩のモロッコ戦も楽しみです。