get on the bus 2

最後の試合の後。みんないい笑顔です。

KSリーグで優勝が決まったあと、しばしその余韻を噛み締め、さて2週間後には参入戦、ということになった時、誰からともなく「…バスは?」の声。
バス。。。またバスですか。。。
引退してしまった部員もいるし、忙しい年の瀬、保護者もそんなに行く人いないかもよー、いちおう希望とってみますか、と言っているうちに、あれよあれよとバスはもう出ることになっていきます。
温泉行きたいだの前泊したいだの、(前回の関東大会で餃子の味を覚えてしまったので)やっぱり餃子は外せないよねーだのといろいろ要望もありましたが、諸処の事情と最大公約数をとって日帰りバス(餃子の食べられる&買えるSA経由)、ということで落ち着き、師走の東北道を一路矢板中央高校へ。

矢板中央高校のサッカーグラウンドは、学校から歩くと20分ほど。当初バスは、道が狭くてそこまでは行けない、ということでした。ところが、神奈中バスの運転手さんは、その狭い、畑の間の道へハンドルを右に切り、グランドへバスを向けてくれたのです。「おお!」「うめえ!」プロのハンドルさばきに、車内は、ぽっと、テンションが上がりました。

なんか、遠足みたいだな、と思いました。

本当に、この一年、あっちこっちに行きました。なんか、選手たちと同じ行く先へと向う、バスに乗っかって旅をしてきたような、そんな気がします。


そういえば、関東大会の武南戦の後には、監督の計らいで、競技場から宇都宮市街まで、選手の乗るバスに、数名の保護者が、乗せてもらうなんてこともありました。なんか緊張しちゃいましたが、みんなの素顔が見れて面白かったです。決勝ゴールを上げたヒーロー、コウジ君の「あずさ二号」も聞かせてもらったし…。


自殺点もあわせると「チーム得点王」なんて言われてたコウジ君。ゴールの『狩人』?


最初はそんなに応援に来る保護者もいなかったように思うのですが、知らず知らずのうちに増えてきました。保護者だけじゃなくて、OB、同級生、女子サッカー部、他の高校の友達…。そんな、何百人とかじゃないんですけど、お義理とかじゃなくって、本当に「応援したい」という気持ちの人が少しずつ増えていった。
なんか、すごいなと思っていました。


もちろん、結果をだしたからっていうのもあると思うんですけど、それだけじゃなかった。

負けた試合のあと、キャプテンのシュン君は「ほんっとに、すみませんでした」と、いつも申し訳なさそうに頭を下げてくれました。
KS優勝の後、グラウンド横で、みんなが寒い中余韻に浸っている時、マモル君は「応援どうもありがとうございました。ぜひ、昇格戦の前に温泉も楽しんでください。最後の試合も、みんなで一緒に頑張りましょう!」と、泣かせてくれました。
トム君の応援も大きな楽しみの一つでした。審判や、相手チームを罵ったりしないで、しっかり笑いを取る。レベル、高いです。新曲も次から次へと飛び出しました(私が好きだったのは「♪ やまじたくやが きょうもキレてる こころウキウキワクワク」です)。


人柄とか、態度とか、雰囲気とか、なんか、応援したくなっちゃう。彼らが行く先に、ついて行きたくなっちゃう。そういうチームでした。



今回の昇格戦。選手たちは前日に出発。
授業を終えてからバスに乗り込んだので、ちょうど学校には生徒がいる時間帯で、たくさんの見送りを受けました。


バスが校門を出て、境川を渡る橋に差し掛かると、選手達の目にこんな光景が飛び込んできました。








言ってしまえば、彼らは決してサッカーのエリートではありません。でも、誠実に、必死にサッカーに取り組む姿が、人の心を動かし、応援する人を増やしていきました。それで彼らもまた頑張る。そんな、気持ちのいい繋がりができていきました。
一緒にバスに飛び乗り、ガタゴト揺れながら、旅をともにできたことを感謝します。



ほんとうに楽しい旅でした。どうもありがとう。